2011年8月15日月曜日

SFと科学1  高野史緒「ひな菊」とイヌ可移植性性器腫瘍

 SF(サイエンスフィクション)は科学の知見や仮説を、非専門家にもわかりやすく小説の形で表現されたものであるという一面を持つ。(もちろん、超光速移動など、現代科学的にはありえない設定に基づくものもある。)

したがって、SF小説には、元ネタとなる科学的な事実や新技術が存在することがあり、元ネタと対応する科学・技術に出会ったら、記録することにする。


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最近の日経サイエンス2011年9月号の「タスマニアデビルの伝染するがん」を読み、昔読んだ 量子回廊 年刊日本SF傑作選(2010年)に収載の高野史緒著の「ひな菊」とを思い出した。

イヌ可移植性性器腫瘍は、伝染するがんであり、交尾の際に相手に移動してひろがる。
小説中の描写と似ている点は、「イヌ性器腫瘍は雌に発情を促す化合物を作り出すことによって、雄にうつる確率を高めている」(日経サイエンス2011年9月号)、「おそらく(中略)最初のうちは非常に致死性が高かったのだろう。」(同)

高野史緒著の「ひな菊」ではスターリン時代のロシアの音楽院のサマースクールを舞台として、上のような特徴を持つ病気があったとしたら、、、を描いている。

参考
大森望『量子回廊 年刊日本SF傑作選』(大森望・日下三蔵編)序文 http://www.webmysteries.jp/sf/ohmori1007.html
東北大学SF研wiki-ひな菊 http://www28.atwiki.jp/tohokusf/m/pages/112.html?guid=on
日経サイエンスの紹介記事 http://www.nikkei-science.com/page/magazine/1109/201109_062.html
wikipedia 可移植性性器腫瘍
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%AF%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%80%A7%E6%80%A7%E5%99%A8%E8%85%AB%E7%98%8D